「俺たちは・・・最初から外道中の外道・・・ってことだ。」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「それと、コレとは話が違う。」


 言いたいことは分かる。


 確かに、傭兵時代の俺たちは外道中の外道だったと思う。


 生きるために人を殺し、略奪を繰り返した。


 生きるため・・・そんな言葉を盾にして、殺し、奪い、壊した。


 外道中の外道・・・まさに、自分たちにこそこれほどふさわしい言葉はないのかもしれない。


「それに、私たちは足を洗った身よ。今さら、巻き込まないで欲しいわ。」


 ティムがそんな言葉でまとめた。


 彼女は人工知能の存在を知らないとはいえ、自分の反応を見て、まともな代物じゃないという判断は出来たのだろう。


 生物が持っている防衛本能は、決して物事を理解するためのものではない。


 それが、自分にとって、危険か否かを判断するためのものだ。


 そういう意味では、瞬時に人工知能が危険なものだと悟ったティムは、腐っていながらも、さすがは元・傭兵だといえる。


「だったら・・・どうして着いてきた?」


 水練の反応。


「それは・・・。」


 ティムが目線を外し・・・


「銃を突きつけたのは、そっちだろう?今さら、何を言っている?」


 アルクが答えた。


 今さら、自由意志で着いてきたのだからいうコトを聞けとか、言うまい。


「分かっているじゃないか?アルフレッド。俺は銃をつきつけ、お前たちはそれでいうコトを聞いた。その時点で何を意味していると思ってる?」


 なるほど。


 そういうコトか・・・。


「脅迫かよ・・・。」


「はぐれものの、傭兵らしいやり方だろう?」


「外道が・・・。」


 そんな言葉しか返せない自分が情けなかった。