「お前は数学教師の俺に向かってそんな質問をするのか」

「敢えて聞いてみたス!俺は答えを出そうと思えば、いくらでも出ると思うス!」

「ふむ…なるほどな」

悠楽はそこで一度言葉を切り、青い目を鋭く光らせながら一気にまくし立てた。

「いくらでもだと?確かに数は無限にある。だがしかし1+1の答えを数で求めようとする限り答えは2、ただ一つだ。そこでお前らはこじつけのように答えを文字で求めようとするのだろうが言葉とは果たして無限にあるものなのか否か…数学教師である俺にはわかりかねる。あとで国語の岸田先生にでも聞いてみよう…」

「わかりました!要するに、先生でもわからないような難問って事スね!」

「…ッ…!く…1+1が解けなかった事など人生初だ…まあ、あとでゆっくり考えるとしよう…」

数学教師は悔しそうにそう言い、まだ新しげな教科書を開いた。