3年5組の教室内。

今休み時間を迎えているこのクラスでは、下らない論争が繰り広げられていた。

「いや、それは違くね?1+1の答えはどこまで行っても2だろ」

「そっちこそ違ぇよ~。1+1の中に隠された物語を知らないからお前はそんな事が言えんだよ~」

「そう…例えば飴が一つクッキーが一つあります合わせていくつ?という問題には無数の答えがあるんですよ」

「どんな?」

「思いつく限りだと、『吐く』『昇天する』『0個』などの答えが出ますかね」

「なるほど、『0個』は何となくわかる。アレだろ?合わせられるのを嫌がった飴とクッキーが大戦争を起こして相打ち…あああ!『昇天』も説明がついた!」

「つーかそれ~問題変わってんだろ~よ~」

最早論争と呼ぶべきなのか否か。

脈絡の無い会話を続けるクラスメートたちであったが、突如前のドアが開き、意識がそちらへ向いた。