いつか…。



その頃からついた
俺のあだ名は
小悪魔王子。


愛未が騙されたあとに
俺のいる教室まできて
そう叫んだのが
広まったのだ。


教室に戻る俺。

みんな
席に着いてるけど
あいつだけ
戻ってきてない。


担任が

『あれ?まだ
月島だけ戻ってきてないな
誰かしらないか?』

あいつ月島って
言うんだ。

すると
ガラガラっと
凄い勢いで
ドアが開いた。

『おー月島遅かったな。
道に迷ったか?』

肩で息をしている
彼女は


『いえ、
騙されました。』


俺は笑いを堪えるのに
必死だった。

すると彼女は
俺の方に向かって
歩いてきた。


『なんで
違う帰り方を教えたの?
あたし普通に3年生の教室
入っちゃったじゃない!
入学式初日で大恥かくなんて
思ってなかったわ!』