『愛未もこの花火見てんのかな?』
タクがそう言ってきた。
『さあ?どうなんだろうな?』
『今日で丸一年か…
早かったな。』
『あぁ…。』
丸一年…。
愛未との思い出が
蘇る。
涙が出そうになった。
俺はタクに涙を見られないように
『ちょっと腹減ったから
なんか買ってくるわ』
と言ってタク達とはなれた。
人混みを掻き分けて
一人になれる場所を探した。
そして河原にたどり着いた。
花火を見ながら
愛未のことを想った。
涙が溢れる。
俺ってまだ
涙出るんだな…
すると後ろから
俺を呼ぶ声が聞こえた。
俺はすぐ涙を拭いて振り向いた。
そこに立っていたのは
浴衣姿の月島の姿が。
『もう!練習サボったら
だめじゃん!』

