俺はまだ真新しい校舎を見上げながら、溜め息をついた。 初めての仕事場を目の前にして、胃が痛むなんてカッコ悪すぎる。 少し汗ばむ手で拳をつくった。 辺りを見回すと、正門を通って来る生徒はあまり居なかった。 西門の方が多いらしく、職員の俺達は正門を駐車場として利用するようにと言われた。 「………なるほどね、」 1人で納得しながら、車にロックをした。