「俺、荒れてたんだよ。なんなんだよ、この世の中って。捨てるくらいなら、なんで産んだんだよって。」
「……………」
彼の想いが、あたしの胸に秘めた悲痛の叫びにリンクする。
「喧嘩とか毎日してたし、とにかく人に迷惑ばっかかけてた。それくらい、可哀想な俺だったら許されるだろって。」
鞄の中から目当ての物が見つかったのか、すっと1枚ルーズリーフを取り出して、それをあたしに差し出した。
紙一面には、びっしりとシャーペンで書かれた文字が羅列され。何度も何度も消しゴムで消したような跡も残っていた。
「でもさ、自分で自分のことを可哀想だとか不幸だとか思ったらダメなんだ。それは逃げることだから。」
「逃げ、る…?」
「そう。まあ、俺もそれに気づいたのはつい最近だけどな。」
「………」
「過去が最悪だったんなら、今から迎える未来をその何倍も最高にすればいい。そしたら、マイナスだった毎日がきっとプラスに変わる。」
「………」
「それ、君にあげる。 いつもここにいる、俺に似た君を見て作ったんだ。」
「え?」
「うんと、応援歌?」
「……?」
「ま、とにかく君にあげる。」
そう言って、折り曲げていた長い脚を伸ばすと、彼はもう1度笑って、またなって言った。
その姿はあまりにキラキラと輝いていて。どうしようもなく、あたしには眩しすぎた。

