「"なんで、あたしなんかと付き合ってくれたんですかね。"」
「は?」
「そう、莉子ちゃんが言ってた。」
くすりと笑う神谷。
左目の泣きぼくろが何かムカついた。
なんでって…
そんなの好きだから。
じゃなかったら、この俺が女と付き合うはずがない。面倒なだけだと思っていた恋愛を、俺がするわけない。
莉子に会って初めて人を好きになる気持ちを知って。今までの自分の愚かさを知った。
だから、莉子には感謝してる。
俺にはもったいないくらいの彼女だって分かっているけれど、どうしたって離したくない。手放せない。
「はあ……」
どうやったら上手く伝えられるのか。
もっと君に近付けるのか。
教えてくれよー