友達・乙女には
「私、行坂のコト、好き…かも。」
と報告した。そのまま行坂とは乙女以外には教えなかった。

夏休みが過ぎ、2学期に入った。2学期になると、係は変わり、私は[新聞係]、行坂は[体育係]と文系と理系に別れ、離れた。
「2学期って言ったら、修学旅行ジャン♪」
と乙女ははしゃいでいた。その頃、乙女は安形 海(あがた うみ)と沖 るうな(おき るうな)と仲が良かった為、修学旅行の班は違った。私は稲村 葉乃(いなむら はの)と梓 海(あずさ うみ)と浅間 葉(あさま よう)と同じ班になった。葉乃が梓と葉と仲が良かったから私も自然の流れで、仲が良かった。男子は二組になり、くじ引きで何班かを決めるやり方だった。結果、行坂と馬田 稀斗(うまた きと)だった。私は照れ隠しに「マシなヤツでよかった」と言っていた。
修学旅行当日。
最初にオリエンテーション、ゆうべの集い、自由時間となった。自由時間は絵を描いた。風景じゃなく、少女漫画の様な絵。自由時間というのは案外短く、次のイベント(?)に入った。肝だめしだ。班はそれぞれ一列になり、稀斗、私、葉乃、葉、梓、行坂と並んだ。実はこの私、肝だめしで泣かないコトなんてなかったから、先生の「出発」と言う言葉で出発したが、緊張で泣きそうになった。……………………。泣けない…?今回の肝だめしは怖くなかった。涙は出なかった。葉乃は泣いていたが、怖くて泣いたというよりびっくりして泣いたと言うのがふさわしい。葉乃は先生が声をかけたら、低い声で鈍い声に聞こえたらしく、おばけがでたと思って泣いてしまった。葉乃は泣くと止まらないから、なぐさめるのに困った。