でも、何がほしいんだろ…
まだ桜井斗真のことなにも知らない。

ま、一日目だし当たり前か‥─

ああこんな気持ちで
本当に、恋ができるのか不安。

このままじゃ
相手を傷つけるだけかもしれない。





「衿奈、おはよう。」






私がボーッとしていると
教室の後ろ入り口から桜井斗真が
顔を出す。


彼の低くて透き通るような声が
教室に響くと、
みんながざわざわとし始める。



「お、おはよう。」




"え、衿奈の彼氏?桜井くんじゃん"



"違うよ!栗原先輩と付き合ってるでしょ"



"いや、あの二人別れたらしいよ"



"もう新しい彼氏?ってかかっこよすぎ"



"どんな手使ったんだろ…"