でも、なんだかすごく 聞き覚えのある声だった。 この透き通るような声 ‥ ── 。 「あの…離してください。」 「ん?なんで」 「私…あなたのことまだ知らないです」 「知ってるよ。衿奈は俺のこと」 「へ…?」 私の名前、知ってる? 少し怖くなった。 いきなりだきしめてきて 名前も知ってて、 ストーカー…!? そんなことを思い始めたとき 彼は私の体だから腕を離し、 私の座るイスの前に ゆっくり歩いてしゃがんだ。 「な、俺のこと知ってるだろ?」