先生とシンデレラ

…え。

「尊敬できるお姉さんだったら言わないよ。」

今、何て言った?

「なっ?!どーいう意味よ!!」

“お姉さん”?

「どーいう意味って…そのまんまだけど「えぇ?!」

…本日二度目の絶叫。

先生はサッと私の口を塞いでから、顔を近づけて、

「へぇ…そんなに縫って欲しいんだ?」

と言った。

口を塞がれて返事ができない私は横にブンブンと顔を横に振ることでしか気持ちを表せない。

「…あれ。違うの?」

今度は縦に振る。

「羅々さ、頭ちゃんと機能してる?」

再び縦に振る。

「…記憶するって言葉…辞書にある?」

縦に振る。

「…さっき先生が言った言葉思い出した?」

あまりの怖さに声を出せずにいると。

「わかんない…の?」


「ふぅん。羅々は先生の言った言葉なんか覚えてないよね」



顔を勢い良く横に振ると。

「覚えてるの?」

縦に振る。

「そう。」

嬉しそうな顔をしたと思ったら。

「…じゃあ。黙れる…よね」

縦にフルフルと振ると。

「…ん。良い子だね。」

と頭を優しく撫でた。