先生とシンデレラ

するとその女の人は先生に対して

「…蓮。そこどいて」

と言った。

…何か邪魔だったのだろうか

先生が横に動くのを合図に私も先生と同じ距離だけ横に動いた。

「…違う。」

女の人はボソッと呟いて。

「…違うわ、蓮。その女の子の前から退きなさい。」

…?!

私?!

「…は」

先生は明らかに不機嫌そうに

「…何で」

と言った。

「…いいから。早く」

女の人はそう言いながらも私と先生の間に滑り込んで来て。

私の顔をジーっと観察し始めた。

「…」

あまりの近さに

綺麗さに

声を出せずにいると。

「「…?!」」

先生と私の息が合わさった。

その女の人は私にいきなり抱きついて大きな声で

「可愛い―――――――――っ!!」

と言った。