先生とシンデレラ

足を踏み入れたそこは…

ハーレムでした。









…いやいや。

そうじゃなくて。

足を踏み入れた工場の中に響く音は一つだけ。

無限に響くシャッター音。

「…何、ここ…」

私が思わず思っていた事をポロッと口に出すと先生はただ静かに前を見たまま

「ファッション雑誌の撮影所。」

と言った。

…あぁ、ファッション雑誌の…

道理で何かで見た事ある方達がたくさんいて写真撮ってるわけだ…

なるほど…

…そうか。

…って。

「…え⁈」

あまりの衝撃に私が叫んでしまった次の瞬間。

さっきまで唯一響いていたシャッター音は止み、その場にいた全員が一斉にこちらを振り向いた。

「…あ…」

我に帰った時にはすでに手遅れで。

「…っの馬鹿…!」

先生は私の口を右手で押さえて視線から逃げる様に回れ右、をさせた。