教壇には先生が立ってる。

…抜け出したくない。

それが今の私の本音だった。

「ううん、良いの。大丈夫だから。」

私が笑顔でそう言うと三浦くんは困った顔で、

「大丈夫って、お前…」

三浦くんの言葉も最後まで聞かずに。

「だんだん目、覚めてきたから。心配してくれてありがとうね。」

私がそう言うと三浦くんは納得のいかない顔をしながら、

「…なら、良いけど。」

と言った。

そんな三浦くんを微笑みながら見ていると、その視線に気付いたのか顔を赤くしながら、何だよ?、と言ってきた。

「…ううん、三浦くんって優しいんだなぁと思って。」

私がそう言うと、三浦くんは茹で蛸見たいに真っ赤になって、

「…は、はははははは、はぁっ?!お、おおおおおおおおお、お前何言ってんの?!べ、べべべべべべべべ、別に優しくなんかねーし!」

と言った。



「…何で?三浦くんは優しいよ。あと、よく人の事見てくれてる。早急もそうだったでしょ?…凄い事だと思うなぁ…。私は、自分の事で手一杯だもん。」

私がふっと笑うと。

三浦くんは、

「…さんきゅ。」

と言った。