…だ、駄目。

眠すぎる…。

まだ一時間目も始まってないのに六時間目まで起きてられる自信が無い…。


朝のホームルーム。

私は何か連絡事項を淡々と告げている加藤先生をボーッと見ながら、今にも負けそうな睡魔と戦い続けていた。


…かっこいいなー…

先生はあの教壇から私達の事をどう見てるんだろう?

…沢山の生徒がいるこの中で。

私は先生の目に映ってるのかな。



…だ、駄目。

もう本当に無理。

どうしよう…。


…もういっそ寝ちゃおうかな。

そう思っていた時。

「…おい、大丈夫か…?」

私が重たい頭をゆっくりと動かすと。

「…三浦くん…。」

隣の席の三浦くんが心配そうな顔で私をじっと見ていた。

「大丈夫って…何が?」

今、何かおかしな事したかなぁ…。

そんな余裕今の私には無いはずなのに。

私がそうやんわりと聞き返すと。

三浦くんはしどろもどろしながら、

「いや、欠伸ばっかりしてるからさ…」

と言った。

…あぁ、欠伸…

欠伸なら確かに心配されるほどした覚えがある。

…そうか。

それで"大丈夫?"か。

私はゆっくりと笑顔を作りながら言った。

「うん、大丈夫だよ。ごめんね、心配かけちゃったね。」

すると三浦くんは私から視線を外して、

「べ、別にいいけどさ…。昨晩寝付けなかったわけ?」

昨晩…

そうだよ。

全ては昨晩が原因なんだ。