終わった後。

誰もいなくなったチャペルで、一人姉さん達がさっきまでいた場所に座っていると。

カタン

制服に着替えた羅々が入って来た。

「まだ、いたんですか?」

「…うん。」

そう言いながら、俺の隣に座る。

「…何であんなことしたんですか。」

だいたい言われる事は想像がついていた。

だけど想像通りすぎて少しいじわるしたくなる。

「あんなことって何。」

「…っえ、」

「何。」

もう一度畳み掛けると。

羅々は顔を赤くしながら、
「…き、「あぁ、キス。」

「っえ、…っせん」

その声の大きさにびっくりしたのだろう、羅々はキョロキョロと辺りを見回す。

「わかってたんじゃないですか。」

「…うん。でも、言わせたかったんだよ。」

そう言うと羅々はまたムッとして。

「あんな事して、ばれたらどうするんです?」

「ばれないようにしたよ。ちゃんと角度だって気をつけたしね。気づいてるとしたら、近くにいたばれても全然大丈夫な姉さん達ぐらいだよ。」

「それ、大丈夫じゃないです…」

そう良いながら、顔を真っ赤にする羅々の手を握って。

驚く羅々の顔を見ながら。

「…羅々。ずっと一緒にいよう。」

その言葉に。

また羅々は幸せそうに笑った。