「中、見たの。」

そのパスケースの中身は。

私と先生が、由紀さんの所で撮った写真が入っていて。

第一次審査の時のも
第二次審査の時のも
最終審査の時のも。

全て。

私が泣き出すと。

先生はそんな私をゆっくりと抱きしめて。

「…な、何ですか…っ」

泣きじゃくる私を

「うん。」

優しく

「わけわかんないです…っ」

包み込む。

先生は少し笑いながら。

「そうだね。…でも。」

先生は、体を離して、私の顔を両手で包み込む。

「ずっと好きだった。」