先生とシンデレラ

"演技"?

一瞬言った事が解らなかった。

その時の私の顔は、見ものだったと思う。

「ぜ、全部嘘だったの?!」

私の言葉に華ちゃんは、背伸びしながら言った。

「うーん…、まぁ全部では無いんだけど。…殆どが。」


ほ、殆ど?!

「どっから、何処までが嘘なの?!」

「凛お姉ちゃんの事は本当で…私が出たいって言うのは嘘。」

「えぇ〜…?」

肩の力が一気に抜けた気がした。

座っていたテーブルにほっぺをくっ付ける。

「ってか、ミスコンなんて、私が出たいって言うわけないじゃん。…めんどくさい。」

…そうだった。

そうゆう子だった、この子。

必要な事さえ"めんどくさい"って言うのに、余計な事するわけなかった…。

「まぁ、一瞬本当に乗っ取ったろーか、とは思ったけど。」

乗っ取るって…。

華ちゃんは崩していた姿勢を、正して言った。

「ごめんね、羅々。…謝るのは私だったって事。
…でもね。私、羅々に自信持って欲しかったの。羅々なら、イケるって思ってるし、信じてる。だから…」

冷めてしまったココアを飲もうと一口、口に含んだ時。

「優勝して、ちゃっちゃっとあの冷血教師と結婚式挙げちゃいなさい!!」

"結婚式"?!

ゴホッ。

ココアが変な所に入った気がする。

「だ、大丈夫…「華ちゃん…?け、け、結婚式って…」

私がそう言うと、華ちゃんがキョトンっとして言った。

「あれ?…先生と優勝賞品の結婚式するんじゃないの?」

あ、あぁ…。

「優勝賞品…。」

私が呟くと華ちゃんは、何言ってんの、と言う目で、

「それもあってミスコン出るんでしょ?
…あ、それとももしかして本物想像しちゃった?
羅々妄想しすぎ!」

へ…

「ち、違うよ…っ!」






良かった。

華ちゃんとまたこうして笑い合えて。

本当に良かった。