舞台の上へと再び上がっていく羅々を見ていると。

「…お前、とうとう腹決めたな。」

そう言いながら俺の隣に立った声の主を見る。

「…」

「今までにないくらいの必死な顔してたぞ、お前。」

「…そうかな。」

「“ここで羅々にふられたら生きていけない”って顔。」

「…」

…否定出来ない。

あの言葉は、とっさに出て来た言葉だったから。

すると、その反応を見ていた潤が笑いながら。

「…決めたんだな?」

その質問に。

俺は潤の目を真っ直ぐに見ながら。

「うん。」

その答えを聞いた潤は満足そうに笑って。

「…頑張れよ。」

何を?

そんな事は、聞かない。

そんな事は、分かってるから。

俺もつられるように笑って。

「もちろん。」