「…っ羅々!」

華ちゃんの声に。

二人して、ばっと離れる。

声がした先を見ると。

華ちゃんが小袿姿で走って来て。

三浦君は、そんな華ちゃんを不安そうに見ながら走ってる。

それから、華ちゃんは私のすぐそばまで駆け寄って来て。

「…は、なちゃん」

よく見ると、泣いてる。

「…っす、ごい、良かったよ…っ!最後!最後が…っ」

それから、そのまま先生の方へ振り返って、
「そ、ですよねぇ…、羅々がいたら、ガラスの…っ、靴なんてどうでも良いですよねぇ…っ!」

先生の顔をチラッと見ると。

先生はいつもの顔で、
「…シンデレラ、だけどね。」
と言った。