源氏物語の上映が終わり、私もいそいそと華ちゃん達に会いに行こうと舞台袖に行くと。
「…あ」
そこにはもう華ちゃんや三浦君やクラスの人たちはいなくて、代わりに次が出番である芽維ちゃんが一人で立っていた。
私が声を出すと芽維ちゃんはゆっくりとこちらを見て。
「…前の人達はもう控え室に戻ったんじゃないかしら。」
「あ、ありがとう、芽維ちゃん…」
私がそう言って行こうとすると。
「ねぇ、長谷川さん。」
その声に振り返る。
「…あの時。本当にありがとう。」
芽維ちゃんは、その綺麗な顔で笑顔を作って。
「気が動転してて、ちゃんと言えなかったけど話を聞いてくれて本当に嬉しかったのよ。」
着ているドレスの裾についた埃を払いながらそう言う。
「最後、話を遮ってごめんなさい。何も言われたく無かったの。失礼な事したわね、あそこで話を聞いてもらうだけで私はだいぶん救われたのに。」
“羅々は、奥田さんの為に精一杯やったよ。”
先生の声が。
頭の中に響く。
「芽維ー、そろそろスタンバイして!」
芽維ちゃんはその声を聞くと。
「…行かなきゃ。それを伝えたかっただけなの。長谷川さんも、頑張ってね、シンデレラ。」
そう言い残して、行こうとする芽維ちゃんの背中に急いで呼びかける。
「…ねぇ!」
「…あ」
そこにはもう華ちゃんや三浦君やクラスの人たちはいなくて、代わりに次が出番である芽維ちゃんが一人で立っていた。
私が声を出すと芽維ちゃんはゆっくりとこちらを見て。
「…前の人達はもう控え室に戻ったんじゃないかしら。」
「あ、ありがとう、芽維ちゃん…」
私がそう言って行こうとすると。
「ねぇ、長谷川さん。」
その声に振り返る。
「…あの時。本当にありがとう。」
芽維ちゃんは、その綺麗な顔で笑顔を作って。
「気が動転してて、ちゃんと言えなかったけど話を聞いてくれて本当に嬉しかったのよ。」
着ているドレスの裾についた埃を払いながらそう言う。
「最後、話を遮ってごめんなさい。何も言われたく無かったの。失礼な事したわね、あそこで話を聞いてもらうだけで私はだいぶん救われたのに。」
“羅々は、奥田さんの為に精一杯やったよ。”
先生の声が。
頭の中に響く。
「芽維ー、そろそろスタンバイして!」
芽維ちゃんはその声を聞くと。
「…行かなきゃ。それを伝えたかっただけなの。長谷川さんも、頑張ってね、シンデレラ。」
そう言い残して、行こうとする芽維ちゃんの背中に急いで呼びかける。
「…ねぇ!」


