先生とシンデレラ

「…っトオルさん」

私が驚きながらそう言うと、

「羅々、あんたまた可愛くなったんじゃない?!愛の力かしらね、ふふふ…」

そう言いながら先生を見るトオルさんに寄って行く。

それから、二人でハイタッチをして、再会を喜び合っていると。

するとその様子を見ていた先生は
「…そんなに仲良かったっけ。」

「二人でこの前はカフェ行きました!また行きたいですね!」

私が笑顔でそう言うと。

「私が誘うと羅々がいつも断るんじゃないの。“明日は用事が…”とか言って!」

「だって、劇の練習でいつも先生と夜遅くまで残ってたんです…」

私がそう言うと。

トオルさんは、あら、と手を口の前に持って来てニヤニヤしながら
「“夜遅くまで”~?まさか蓮君、羅々に手「出してませんから。」

先生はそう言うとトオルさんと私が握り合ってた手を、自分の右手でさっと割る。

それから、私を自分の後ろにさっと隠して。

「何よぉ。」

トオルさんがそう言うと。

先生は少しムッとしながら。

「…一応、男なんで。」