先生とシンデレラ

その言葉に。

私は暫く俯いてスカートの上に置いた手を両手で握る。

「…羅々?」

華ちゃんが、前置きにあんなけ強調した意味が分かった。

私が、華ちゃんが何も言わなくても華ちゃんの本心が分かったように。

華ちゃんだって私の性格を知ってる。

“今から話す事で、私、羅々を恨んだり憎んだりする事は一切無かったからね。”

そう言われても。

関係ない私の性格を、華ちゃんはよく知ってる。

「ねぇ、」

…私は。

どれだけ華ちゃんを傷つけただろう。

ミスコンの最初だって、
三浦君の事だって。

私は。

華ちゃんを大切、とか。

そんな事言っておいて、一番大切にしてないのは私じゃない。

一番華ちゃんを傷つけてるのは、私。

きっと華ちゃんは優しいから。

私に何も言えなくて。