先生とシンデレラ

「…私ね。」

何となく

「羅々には言ってなかったんだけど…」

華ちゃんが何を話そうとしてるのか、分かってた。

「言えなかったって言うか、何て言うか、その…」

配役を決める時の先生の言葉。

「あのね、私、好きな人がいるの。」

それに対する華ちゃんの反応。

「…その人、」

付き合いが長いからこそわかる、華ちゃんの無言の本心。

「優希なんだ。」