先生とシンデレラ

「…っごめん、待った?!」

窓の外をボーッと眺め続けていると。

ふと声をかけられて、振り返る。

「華ちゃん。」

私が笑いながら立ち上がる。

「ううん。そんな事無いよ。」

その言葉に華ちゃんは安心したように笑って。

「そっか。良かった。」
と言った。

その言葉に私は笑って頷いて。

「…そう言えば華ちゃん、“伝えたい事”って何だったの?」

華ちゃんは私の言葉を聞いて、目を伏せて深呼吸をした。



私が帰ろうとしていた時。

華ちゃんはそんな私の腕を掴んで、神妙な顔付きで
『話したい事があるの…。これから少し職員室に用事があるから教室からいなくなるけど、ここで待っててくれない?』

その言葉に私はこくんと頷いて、今の状況に至る。

「…長くなるかもしれないけど、良い?」

その言葉にまた頷いて。

私の頷きを見た華ちゃんは、座ろう、と言った。

私がさっきまで座っていた椅子に座ると華ちゃんはその向かい側に座って。

静かに、話し出した。