先生とシンデレラ

しばらく、1人で図書室に座っていて。

はっと目が覚めたような感覚がして。

…先生の所、行かなきゃ。

私の体温ですっかり暖かくなった椅子から立ち上がる。

重い足を必至で動かして。

肩からずり落ちそうな鞄を必至で持って。

カチャリ

ゆっくりと、社会科準備室のドアを開けると。

それに合わせて、ドアに背を向けていた先生が椅子を回転させて。

優しく笑いながら、私を見て。

「…遅かったね。」

その声に。

その顔に。

安心したのか
そうでないのか。

それはよくわからなかったけど。

頬を伝う涙を拭う気力もないまま。

「…私、帰ります。」