先生とシンデレラ

結局待ちきれなくなって、社会科準備室を出て、教室への道を歩き出す。

これで誰かと話してたら、シメる。

相手も、羅々も。

…羅々は、ちょっと手加減してやらなくもないけど。

でもシメる。

これだけ待たせて。

「…良い度胸だよ。」

しかも待ちきれず出て来たなんて。

まるで、

俺が、

羅々の事大好きみたいじゃないか。



…,

「…最悪。」

ため息を吐いて。

否定出来ない。

何だこれは。

もう一度ため息をつきながら、角を曲がると。

「…?」

いつも開いてない図書室の扉が少し、開いていて。

…何で?

そう思いながらもとりあえず扉を閉めようとドアノブに手をかけ、何気なく中に目をやると。

「…」

羅々が、いた。

その前には、奥田芽維。

珍しい。

…っていうか、こんな所で二人で何してる?

声をかけようと開きかけた口は、か細く聞こえて来た声に、出す言葉を無くした。

その言葉は、

少し涙声で。

もしかしたらもう泣いているのかもしれない。

そんな事も考えられないほど。

その声は、

「…私の、好きな人、は…」

悲痛めいていて。

「岡田先生、なの」