先生とシンデレラ

私が笑いながら次の言葉を待っていると。

芽維ちゃんは気まずそうに
「…あの、本当に言わなきゃだめかしら…。」

「あ、ううん。話せないなら良いの。ただ、話を聞く事で少しは芽維ちゃんが楽になれたら、と思っただけ…」

私がそう言うと、芽維ちゃんは下を向いた。



カタン

私がゆっくりと椅子から立ち上がると、芽維ちゃんが驚いたように私の顔を見た。

「…また、話したくなったら声かけてくれると嬉しいな。話なら、いくらでもたくさん聞くね。」

そう言ってから、芽維ちゃんに背を向けて歩き出す。

無理矢理、話させるなんて、そんなの脅迫と同じだ。

こういうのは、本人が話したいって思うまで周りが変にどうこうしようとしちゃダメな気がする。

図書館から出て行こうと、ドアノブに手をかけると。

「…っ待って!」

背後から声が聞こえて。

その声に思わず開けかけたドアを閉める事もせず、ピタリと、動きが止まる。

ゆっくりと振り向くと。

「…やっぱり、聞いてもらいたいの。」

その言葉に、私は笑顔で頷いた。