先生とシンデレラ

先生に送ってもらって、家に帰る。

帰る間際、先生が私の目を見ずに言った一言が頭の中をグルグルと回る。




『今日は、ありがとうございました。』

そう言って、車のドアを開けようとすると。

先生は私を引き止めるかのように。

『羅々。』

『…』

先生の方を見る。

『今日、先生の衣装、選んでくれてありがとうね。』

『…っえ』

驚く私を先生は笑いながら見て。

『先生に似合うと思って選んでくれたんでしょ。』

『…っ』

『羅々が、先生を思って選んでくれたなんて、本当に嬉しかったよ。』

何も言えない私を。

『だから。』

先生は笑いながら、

『…ありがとう。』




そんな言葉を言うなんて。

私が期待するのを分かってて。

何なんだろう。

何を考えてるんだろう。



本当に。

先生って。

「…ずるい…。」