先生とシンデレラ

「さ、お互いに選びあった衣装を試着してみよう!…ね?」

後ろから聞こえた、由紀さんの明るい声に頷く。

すると、由紀さんは笑顔で
「よしっ!じゃあ、蓮君は右手の、羅々ちゃんは左手の試着室で着替えてきてー!」

「わかりました。」

私はそう返事をしながら、さっき座っていた所に置いたままだった、先生の衣装を手に取り先生に渡す。

「…一生懸命に選んだので、先生に拒否権、ありませんから。」

私が俯きながらそう言うと。

先生は、ふ、と笑って。

「…拒否なんて、するわけないでしょ。」

その声に。

ゆっくりと顔を上げると。

先生は静かに頭を撫でて。

…え。

先生は、某前とする私に持っていた水色のドレスを渡した。

「…重いけど、床にすらないように気を付けて。」

そう言って、先生は私に背を向けて試着室に入って行く。

先生に手渡されたドレスを持ったまま、立ち尽くす。

さっきの。

頭を撫でる、先生の目。

私を見る、先生の目には。

熱がこもってる気がした。