先生とシンデレラ

「…羅々ちゃん、蓮君、久しぶりだねぇ。遅くなったけど第二次審査通過おめでとう。」

私より少し大人なはずなのに。

目の前にいる由紀さんは、私なんかより全然可愛らしい。

その言葉に私は笑顔で
「…ありがとうございます。」
と言った。

由紀さんは笑って、
「最終審査は私も見に行くから頑張ってね!」

この言葉にびっくりしたのは私よりも先生。

「…っえ、何でですか…」

「何でって、真衣が片っ端から声かけてるんだよ?
“私の堅物な弟がシンデレラの王子様役やるって。見物だよー!
くる人連絡して!デレデレな蓮が見れるから!”って。ほら。」

由紀さんはそう言いながら、ポケットからスマートフォンを出してしばらく操作した後、私たちに差し出した。

先生が眉を寄せながらスマートフォンを受け取る。

私も横からその画面を盗み見ると。

由紀さんが言ったその言葉がそのまま表示されていた。

「…最悪。」

先生が小さく呟いて。

こればかりは先生に同情するしかない。