先生とシンデレラ

ビニール袋の中身は案の定もう片方のマグカップで。

ゆっくりとそのマグカップをビニール袋の中から取り出して。

「…先生?」

「…何。」

不機嫌きまわりない声で返事をして。

「…これ、使うんですか?」

「…」

「こんな、可愛いマグカップを?」

「〜…っ」

「…しかも、私とペアですよ?」

次々と矢継ぎ早に質問すると。

先生は観念したように、
「…っ、使うよ。しょうがないでしょ、一個売りしてなかったんだよ。羅々がさっき、これは一人で使いたくない、って言ったんだから先生が使うしかないでしょ。」

その言葉に、
「…そうですね」
といって笑うと。

先生は少し眉根を寄せながら口元を緩めた。



帰りの車の中で、また寝てしまった私を先生は家までちゃんと送り届けてくれた。

まだ寝ぼけてる私に、先生は静かな声で
「おやすみ。羅々のおかげですごく楽しかったよ。」
と言った。