先生とシンデレラ

ゆっくりと手渡された袋の中を見ると。

そこには。

「…な、んで…」

さっき見ていたペアのマグカップの、女の子が持つ方のマグカップが入っていた。

「…」

驚く私を先生がチラリと見て。

「先生、これ…」

「…もう買っちゃったんだから、もらいなよ。」

「あの時、これを買いに行ってたんですか?」

袋の中にあるマグカップを見つめながらそう言うと。

「…あんな事になるなら、そんな物買うんじゃなかったって後悔してるけどね。」

自重気味に笑う先生を見て。

「でも…」

「ん?」

「本当に、嬉しい、です…っ」

マグカップを袋から出して両手で持って。

先生に向かって笑うと。

「…そう。」

「はい。ありがとうございます。」

「…うん。」

私が笑うと、先生も少し微笑んでくれる。