外に出て先生が発した第一声は。

「…寒」

確かに。

言い返す言葉も無い。

無意識に何も履いていない脚を擦り合わせると。

その様子を見た先生が
「…やっぱり戻ろう。風邪引くよ。」

まだ、もう少し二人でいたかったから。

「…でも。星が、綺麗ですよ」

とっさに上を指差すと。

先生は怪訝そうな顔で上を向いた。

本当に、星が、綺麗。

「…まぁ、冬だから空気が澄んでるからね。」

「…ロマンチックのかけらも無い事言わないで下さい…」

「本当の事しか言ってないよ。」

その言葉を軽く受け流して。

「…私、星を見るの、好きなんです。」

「…へぇ。」

「今を大切にしようって思えるから…」

私がそう言って笑いながら、星から星を眺めている先生に目線を移すと。

「…それなら、星を見るのも悪く無いね。」

その言葉にニコリと笑う。

「さて。本当にそろそろ戻ろう。結果発表があるから。」

その言葉に思わず顔をしかめると。

先生はクスッと笑って。

「…大丈夫。上手く踊れてたから。」

先生のその言葉にまた心が軽くなって、私は先生の隣に立って歩き出した。