「いよいよ、明日だな。」

朝。

いつもの様に早くいくと、そこにはもう三浦君がいて。

突然そう呟いた。

「うん、そうだね。」

「…長谷川は大分上手くなったな。」

「そうかな、ありがとう」

私がそう言って笑いながら、鞄を探る手を動かし続ける。

すると三浦君が、長谷川、と言った。

手を止めて三浦君を見ると。

目が合って。

三浦君は、真剣な目をしてた。

何を話したいのか、わかってしまった。

「…加藤への。」

目を、逸らさずに。

「想いは変わらないのか?」

「…三浦君」

来てしまった。

私は、ちゃんと言わなきゃいけない。

それがもし。

三浦君を傷つけても。
私と三浦君の関係を変えてしまっても。

「今も、加藤だけが好きなのか?」

私。

三浦君の事も大好きなの。

でもそれは。

「…うん」

先生の“好き”とは違うの。