先生とシンデレラ

その事を三浦君に話して、二人で門で待っていると。

目の前で予想した通りのまっピンクの軽自動車が止まった。

私たちの目の前の助手席の窓を開けると、
「はいはーい、後ろに乗りなさい！」

お願いします、そう言いながら二人で後ろに乗ったのを確認したトオルさんはすぐに車を発進させた。

「もぉー、気が利かないわねぇ！かっこいい男の子2人ぐらい、紹介しなさいよ！」

私がその言葉に苦笑していると、三浦君が
「おかまに紹介する、友達なんていねーよ」

「もぉぉぉ！！」

トオルさんがハンドルをゴンッと叩く。

「…羅々も気、聞かせなさいよ！」

…？

え。

“羅々”？

今まで、“あんた”とかだったのに。

困惑しながらも
「すみません…」
と言う。

「ま、羅々は学校で仲良い男なんて、蓮君と優希ぐらいしかいないでしょ！」

…あながち、間違いではない。

黙っていると。

「役に立たないわねぇ！…ま、いいけど。」

何で？

本当に今日は優しい。

心の中で首を捻りながら、苦笑した。