先生とシンデレラ

次の日の帰り、先生は教卓の前から私の名前を呼んだ。

パッと私が先生の顔をみると。

先生は腕を組んで教卓にもたれかかったまま、私を手招きした。

私がマフラーを巻きながらちょこちょことよっていくと。

先生は私が目の前まで来たのを確認して、
「…今日は先生、用事があって送って行ってあげられないから。」

「…えっ」

何で?

すると先生は笑って
「そんな顔するくらい、淋しいの」

思わず頬を両手で包み込む。

顔に出てたのかな…

その様子を見た先生はまた笑ってから、とにかく、と言った。

「トオルさんが正門まで迎えに来てくれるから、優希と二人でそこに待っていなさい。トオルさんに、迷惑かけないようにね。」

私は静かに、はい、と言った。

先生は笑いながら、私の頭をポンポンと撫でて、昨日は上手く踊れたんだから今日も踊れるよ。、と言った。