先生とシンデレラ

先生はゆっくりと私の腰に手を置いた。

驚いて先生の顔をみると、先生は私の腰をみて眉を寄せている。



え?

何で?

「…羅々。ちゃんと食べてるの」

「…え」

「細すぎでしょ。折れそうだよ」



それ、先生が言える事?

「大丈夫です…っ!」

「…そう。」

先生はまだ納得してない顔をしながらも、
「いい、羅々がいつも転ぶのは相手の腰をキチンと持ってないからだよ。なのに張り切ってターンするから、バランスが崩れて倒れる。」

先生は私の手をとって自分の腰に当てる。

だから、一人の時は出来て、三浦君との時は出来なかったんだ…

「…ちゃんと、持ちなさい。」

「…っ」

思わず先生のスーツをギュッと握る。

「握りすぎ。」

「え、あ、ごめんなさい…」

思わずパッと離す。

「…離せとは言ってないはずだけど。」

「…あ、はい…」

真っ赤であろう顔を隠しながらセンセイのスーツをもう一度、今度は柔らかく握ってそう言うとセンセイはクスッと笑った。

「…じゃあちゃんと持っててね。先生がリードするから羅々は安心して、力を抜いて。」

先生の、リードに合わせて、ゆっくりと踊り出した。







「…なんだ、キチンと踊れるんじゃないの。」

目の前に踊る二人は。

誰が見ても。

「…」

影から。

出るに出れなかった。

中にはいる事は諦めて。

また来た道を帰っていった。