ゆっくりと声がした方を振り返ると。

「…教室に戻って来たら寝てたからさ。」

「…三浦君」



「暗くなってたし、一人で帰るの危ないだろ?」



「だからケータイ触って待ってたんだよ」

少し

「案外長い時間寝てたな。」

期待した?

「…そっか。ありがとう、三浦君。待っててくれたんだね。」

「いや、俺が勝手に待ってただけだし。…帰るか。」

三浦君は立ちながら照れくさそうに笑って、鞄を持って私を見た。

私も鞄を持って席を立って三浦君の隣に並んだ。

「駅まで、一緒に行こう?」

駅までの道のりは、徒歩20分。