先生とシンデレラ

「…行くよ、おいで。」

「…はい」

黙って歩き出した先生に付いて行くと
「…きゃ…っ」
先生は突然立ち止まって私を見下ろした。

「…良いんだ。」

「…え?」

「笑わなくたって良いんだよ。」

「何言って…」

笑わないで歩くなんて。

「…羅々は笑えないなら笑わなければ良い。そのままで歩けば良いんだよ。」

「…」

「難しい事なんて考えなくて良いんだ。他の人を真似する事もしなくていい。羅々は羅々らしく歩けば良い。」

先生はいつものように笑う。

「歩けば良いだけなんだから。そんなのいつもしてるでしょ。」

「先生だけを見て、歩きなさい。」

「わかりました。」

“歩けば良いだけ”
“そんなのいつもしてる事”

そうだよ。

今もしてるこの作業をすれば良いだけ。

「…いっておいで。先生も急いで羅々が見える所まで行くから。」

「…はい」

先生に背中を押されて私はステージへと入った。