放課後の教室。

私と先生は、机を1個だけ挟んで、向かい合わせになっていた。

パラパラと提出物のプリントをチェックする先生。

『放課後、羅々は残って。』

…そう言ったのに。

ことごとく私の存在を無視する。

私がじっと先生を見ると。

先生は、プリントに目を落としながら言った。

「…何見つめてんの」

み、見つめ…

私は真っ赤になりそうな顔を抑えながら、言った。

「み、見つめてなんかいません…っ!」

「…何で。」

言葉に詰まる。

だって、それは…

「あぁ、先生に構って欲しかったの」

先生は、さっきまで見ていたプリントから目線を上げて。

私の目をジッと見た。

「ち、ちがっ…」

慌てて抵抗すると。

「違うの?」

残念そうにそう言って。
 
「…っ」

「…先生が羅々をほかっといて、プリント見てたから…じゃないの?」

「ち、違うって言ってるのに…っ」

私が弱々しく言うと。

先生は、ふぅん…、と言って話し始めた。

「ま、冗談はこの位にするとして。」

…冗談だった、今の?

そう思いながらも先生の話に耳を傾ける。

「ミスコンの事だけど。」