目の前には今まで見た事もないような巨大なセット。

ランウェイの周りには椅子がたくさん置いてあって、上にはライトが所狭しと設置されている。

…明日。

私はここでたくさんの人が注目する中で歩かないといけないんだ。

私が緊張から思わず自分の腕をさすると。

先生は私の頭に優しく手をおいて、
「羅々はいつものように歩けば良いだけだから。先生だけを見てればいい。」

「…」

「羅々に見える様な所にちゃんといるからね。」

その意味をゆっくりと噛み締めながら。

「はい。」
と力強く返事をすると先生は笑った。