それから三日間。

私はいつもモデルさんがファッションショーの前に使うというランウェイを借りて、本番さながらに全てを再現し、真衣さんの助言を聞きながら歩き方やポージングの仕方を練習した。






そしていよいよ本番の前日。

先生は、ホームルームが終わった後、私を社会科準備室に呼び出した。

コンコンとドアを叩くと先生の、どうぞ、という声がしたのでそっと開ける。

「…失礼します」

案の定その部屋には先生しかいなかった。

先生はいつもの場所に座って、持っていた教科書を机に置いて私の方を見て
「今日は、帰って良いよ。」

「…え」

先生はゆっくりと脚を組みながら

「帰ってゆっくり休んで明日に備えなさい。」

「…はい。」

それが言いたかっただけ?

少しイラっとしながら、帰ろうと先生に背中を向けると。

「あ、でも明日の前にステージでも見ておく?」

と言ったので、驚きながらも振り返って
「良いんですか…」

「ううん、駄目」

先生は笑いながらそう言う。

だったらなんでいったんだ。

「…じゃあ、「でも羅々は特別。」

先生はそう言いながらゆっくりと立ち上がって。

「…付いておいで。」

と言った。