「…無理です」

震える手を握りしめながら。

「…無理なん「羅々、今回のテスト良く出来てた。」

「…え?」

カメラをかまえたまま先生は話し続ける。

「いつも良く出来てるけど、それ以上に。今回はこの事もあって時間も無かったはずなのに…上手く時間を見つけたんだね」

「…」

周りの人は先生の言葉を静かに聞いてる。

「日本史だけじゃない。他の教科も良く出来てて周りの先生に褒められたよ。」

先生は笑いながら。
「先生、鼻が高かったな。」

「…せ「良く頑張ったね」

ゆっくりと私が笑うと。

先生がシャッターを押す。

「あれだけ勉強嫌がってたのに。やっぱりちゃんとやってる所が羅々の良い所だ。」

シャッター音が、響く。

「朝も毎日早く学校に来て寒い中、勉強してるでしょ。知ってるよ」

「…え「たまに眠気に負けて寝ちゃってるのも。」

「それは…」

「それは?」

「…だって、眠いから。」

「だけど毎日来るね。」

「…」

「偉いよ、羅々」

それからも先生は始終話し続けて、その話を聞いてるうちに撮影はいつの間にか終わってた。