「はぁ?!バカじゃないわよ!あんた好い加減にしなさいよね!」

「…本当の事を言って何が悪い」

そのままいつもの姉弟喧嘩が始まりそうだったので、
「寒いですし、中、入りませんか」
と言った。

すると真衣さんは私の方を見て微笑んで
「そうね」
と言った。

真衣さんは私達の隣を歩きながら
「由紀に選んでもらったドレス、持って来た?」

“由紀に選んでもらったドレス”

知らんぷりをしている先生の方をわざと向かないようにして
「はい。」

「そう。蓮、そのドレスは車の中?」

「うん」

「ここで待ってるからとって来なさいよ」

先生は一瞬顔をしかめてから、わかった、と言った。







真衣さんは先生が持ってきた薄紫色のウェディングドレスを見て、
「羅々ちゃんにぴったりだわ!さすが由紀ね、わかってるじゃない!!」
と興奮したように言った。



「このドレスなら優勝間違いなしよ!行きましょ!」

そう言って先に行ってしまった真衣さんの言葉で、ある一つの疑問が生まれ隣に立っている先生に聞いて見た。

「他の人はどうやって普段着ないドレスを借りてるんですか?私は先生のおかげで借りれただけだし…」

「一応学校がある程度の数のドレスを用意してるんだよ。それを使ってもいいし、使わなくてもいいって決まりだから。」

「…へぇ」

みんなは、どんなドレスを着るんだろう?