先生とシンデレラ

椅子に脚を組みながら座って携帯をいじっていると。

「出来たよ、蓮君。」

「由紀さんがやってくれたんですか」
ゆっくりと立ち上がって。

「うん。すっごく綺麗だよ、羅々ちゃん。それに本当にいい子。」

あいつは本当に、いろんな人に魅せるな。

薄く笑いながら。

「…それは楽しみだな。」

そう言って由紀さんの前を通りすぎ様とすると。

由紀さんは真剣な顔と声で。

「羅々ちゃんと蓮君って本当に結婚するんだよね?」



「もちろん。何言ってるんです?さっきはお似合いだって言ってくれたじゃないですか」

「それは、変わらないよ。そうじゃ無くて。なんか、別の問題があるんじゃないの?」



「…そんなの、無いですよ」

「じゃあ聞くけど羅々ちゃんって何歳?」

由紀さんの方を笑いながら振り向いて。

「何歳だと思います?」

「出会った場所は?」

「どこでしょう?」

「学校じゃないの?」

表情を崩さずに。

「そうだとしたら」

「…」

由紀さんはゆっくり息を吐いて。

「…私が言いたいのはそこじゃないの、分かってるくせに。」

「…まだ、その時じゃないんですよ。」

「え…」

「…まだ、待たなきゃならない。」

「じゃあなんでさっきからそんな顔してるの⁈」


俺は
どんな顔をしてるって言うんだ

「…行きますね」

もう
最悪だ。