先生とシンデレラ

そんな事を話していると男と女の店員さんがやって来て
「ご用意出来ました。まずは十着選ばせていただきましたので、ご覧になってください。」

すると先生は私が立とうとする前にさっと立って立とうとする私を手で制して
「…すみません、今日は時間が無いですよ。そこから何着か選んでもいいですか?」

「あ、もちろんです。どうぞ。」

と男の店員さんは、今自分が出てきたドアを手でさす。

私がどうすべきか悩んでいると女の店員さんが
「奥様もどうぞ。」
と言ってくれたが
「羅々はここで待っていなさい」
と先生が言ったので、はい、と返事をして座る。

先生が言ってしまった後横にいた女の店員さんがクスクス笑い出したので思わず見てしまうと。

「あ、ごめんなさい。昔と全く変わってないから。」

…昔?

「…え」

思わずそう漏らすと。

「え、何も言ってないんだ!そうゆう所も変わってないなぁ」

またクスクスと笑い出す。

「あの…」

すると店員さんは、焦ったように
「違うの、そう言う関係じゃないから安心して?」

…そうゆう関係って

思わず苦笑しながら、はい、と言うと女の店員さんはゆっくりと話し始めた。