先生とシンデレラ

私が慌てて否定しようとするより早く

「そうです。」
と先生が言った。

驚きながら先生の方をみると、先生はそれにまるで気づいていないように
「…ちゃんと、そういう風に見えますかね」

…っえ。

女の店員さんは綺麗な笑顔で

「もちろんです。
お似合いですよ。」

といってくれた。

先生はなぜか安心したように
「そうですか。
ありがとうございます。
よかったね、羅々。」

「うん…」

なんでそんな事聞くんだろう。

店員さんはサイズを測ったあと
「ではお待ちください」
と言って立ち去ってしまった。

私はゆっくりと先生の隣に座って慎重に口を開く。