先生とシンデレラ

五組を覗くと女の子が気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた。

片手に持っていたのは今売れてるモデルのファッションブック。

「五組の代表、小林柚亜。

可愛い。特技はピアノ。読者モデル。

芸能人でいうと前田敦子。」

「あ、私柚亜ちゃん知ってます。

中学が同じだったから…。」

「ふーん…。」

「話したことはありませんけど…」

「…そう。」

先生はそのままの足で六組に向かい静かに中を覗いて、安全なのを確認すると私をチョイチョイと手招きした。

私が静かに先生に近付いて中を覗くと、先生は私が中にいる女の子を視界に捉えたのを確認してゆっくり口を開く。

「6組代表、花森瑠璃。
男慣れしてて、誰でも自分の事好きになると思ってる。
でもそれがあながち間違ってないから凄いよね。それなりにそうするための努力はしてるんじゃないかな。」

…男慣れ。

中にいる美人な女の子を思わず凝視する。

そんな風には見えないのに。

「…芸能人で言うなら、桐谷美玲ね。」

…何なんだこの人。

授業中もしかしてそんな事ばかり考えてるの?

私がじとーっとした目で見ていると先生は瑠璃ちゃんから目線を外して怪訝そうな目をしながら一言。
「何。」

…口が裂けても言えない。

「…何にもありません…」

先生は疑い深く私を見たけど、私が黙り続けているとため息を一つ落として
「…行こうか。」
と言って歩き出したので、私もそれについて行く。

…深く追求されなくて本当に良かった。


「とにかくこの5人と羅々の6人で競うことになるから。

分かったね?」

私が、はい、というと先生は

「ひとまず社会科準備室に行こう」

といった。